<決められたエネルギー量のなかで、栄養素をバランスよく>

食事療法は糖尿病治療の基本です。神戸市長田区の永田診療所はあなたの食事療法を応援します。


糖尿病食事療法のいろは

糖尿病の治療は、患者さんがまず「自分が糖尿病であること」を受け容れてくださらなければ始まらないと思ってください。糖尿病の正しい知識をもち、なんのために治療をするのか、という強い目的意識をもって始めましょう。食事療法は糖尿病治療の基本であり、これなくして糖尿病の治療を成功させることはできません。

1.適正なエネル糧と栄養のバランス

糖尿病食は制限食ではなく健康食です。あなたの体とその活動を維持するのに必要なエネルギー量を決め、その総枠の中に、栄養素を適正に配分し、食べたものが無駄なく体の中で利用されるようにしたものです。一日に必要なエネルギー量は、年齢・性別・標準体重・骨格・身体活動量などを参考に主治医が決定します。食事療法は、日本糖尿病学会編・「糖尿病食事療法のための食品交換表」に沿って習いましょう。献立、秤量、盛り付けを習慣づけ、毎日続けることが大切です。

2.食品交換表とは・・・

患者さんの中には、米飯を一口減らすだけ、好きな晩酌をやめるか、半分の量にするだけで食事療法が事実上成立してしまう人もいるでしょう。しかし、正しい食事療法を必ず習っておきましょう。食品交換表には、約600品目の食品が主な栄養素別に分類されて、80キロカロリー分の量を1単位としてグループ別リスト(表)に載せられています。食品交換とは分類された各々の表の中から、一日に決められた単位数の食品を摂れば、その人に必要なエネルギーと栄養素を適切に摂取できるように作成されています。同じ表の中ならば交換は可能ですが、表を越えて交換することはできません。

3.食事療法を守るのが難しい理由は・・・

まず、糖尿病を誘発するような食習慣が身にしみついているからです。空腹感、疲労感などは糖尿病によくない時の症状です。「かぜを引いたのも、スタミナがないのも食事療法のため」といわれますが、食事の量が少ないせいではありません。患者さんはよく「腹が空いてよく食べたから糖尿病になった」といわれますが、じつは腹が空いてよく食べるのは糖尿病の症状です。しかし、食事の減らし過ぎは、長続きしないばかりか、おなかが空きすぎて、ときに猛烈な大食いを招くことがありますので、決められた量の食事はかならず食べましょう。

4.運動療法

どんな運動でもしないよりははるかにましです。通常20~30分の持続的散歩を毎日1~2回続けている人に体重調整がよく、血糖値も良好で、合併症の進行が少ないことが知られています。運動療法は、体の中でブドウ糖の利用を円滑にするためです。しかし、食事の過剰を運動によって解決することはできません。毎日、決めて続けるように、日常生活の中に組み入れ実行しましょう。合併症や他になにか病気があるときの運動療法は、医師の診察を受けて強度や時間を決めてもらいましょう。